西陣で織ります。織機で織るものもありますが、私どもでは手機(てばた)で織ったものを使います。 本金箔の場合、片面に金が引いてありますが、手でないと箔が裏返ったりしてしまいます。 織もさまざまな織り方がありますが、中でも綴織は今も手でしか作れない織物です。 一日わずかしか織れません。
もっとも、時勢柄織手の技術が引き継がれず、失われてしまった技術もあります。 最近は織機の性能も良くなり、見劣りしないものも出てまいりました。
いつまでも良い技術を残していきたいものです。
肩にかける修多羅を編みます。正絹の紐を結ぶだけで形を成していきます。基本的には 2種類の結びかたを組み合わせていくのですが、その向きを確認しながらひとつの修多羅に 仕上げていくは根気の要る作業です。
御袈裟に仕立てていきます。裏地、芯地、それぞれを、表の生地に合わせて選びます。 良い表地は本金を多用してみっしりと織られておりますので、どうしても重くなります。 すると、強度的にもしっかりした裏地が必要になります。また、芯もそうです。
表地、芯、裏地を合わせ、縫いとめます。このとき、裏地が小さくなるようにしないと、 着たときに裏地が見えてしまうことになるので、わざとずらして縫っていきます。 また、表、裏がずれないように、隠し針を多用します。裏と芯だけを止めていきます。 見えないところを3枚のうち2枚だけに針を通していくのです。 ここにも職人の長年の技術が生きています。
最後に覆被と共に畳みます。畳んだときにきれいに収まるように、これもずらして畳みます。
定期的な虫干しなど、湿気に気をつけて保管くださいませ。お使いになられなかった場合でも、 時折広げておかれることをおすすめします。修多羅を取り付ける修多羅付けや、結ぶ紐、 持ち手などには力がかかります。ホツレなどに気づかれましたら、衣替えの時期などに 修理に出していただければ、永くお使いになれます。
もちろんクリーニングも、傷んだ裏地を替えることも可能です。 費用などもご相談に応じます。お気軽にご連絡くださいませ。